精度の高さが必要な検査治具であるオリジナルソケット

機器を製作する時に本来使用する部品と同等のレベルを持った仮の部品を取り付け、出来上がった時点で検査を行い、問題があれば改良する、この仮の部品のことを検査治具と言います。この検査治具は作図を作る時に使う定規なようなもので、これが歪んでいたら曲がっていると真っ直ぐな線を引くことができず、出来上がった作図は不良なものになります。検査治具も不良のものがあると出来上がった製品に影響を及ぼし、サイズが狂っている、精度が劣っていると稼働性や安全性が落ちることがあります。ICを製作する時に使用する検査治具のことをオリジナルソケットと呼び、精密な部分だけにより精度の高い、本物の部品と同じでなければいけません。

ICは検査で正常であってもより詳しい検査を積み重ねます。なぜなら稼働時に熱を発生させていて、その刺激が部品を劣化させることがあるからです。稼働初期は問題なくても長く使用していると動きに異常がでたり、部品が早く破損するなどの悪影響が現れます。そのためオリジナルソケットは実際に使用するものと同等の質が要求され、半田付けなどの加工をせず、検査後に簡単に取り外しができる仕様になっています。

もしオリジナルソケットが実際に取り付ける部品と異なるものであれば、検査で異常がなくても不備があったり、逆に異常が見つかり改良しても、実は問題がなかったりすることもあります。完成した機器やICの精度の良さにもこれらの部分は関係しています。

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