検査治具の利用について

検査治具と言っても、そもそも治具とは何か良く分からないかもしれません。これは英語のjigの当て字と考えられていますが、当て字ではあっても漢字的にもかなり本質を突いており、例えばAmericaを亜米利加と書くのとは違います。工場などでは製品の検査を行う必要がありますが、それを助けるための用具が検査治具と考えておけば大きな間違いはありません。例えば、完成品の長さが規格どおりかを知りたい場合、物差しを当てて測るのが常識的なやり方ではありますが、これはスピード的にも速いとは言えず、目視による測定誤差もありますし、ミリメートル単位以下の精度となると相当に無理があります。

ノギスやマイクロメーターを用いれば精度は確かにアップしますが、スピードや誤差の問題は解決できません。そこで考え出されたのが検査治具であり、検査すべきものと同じ長さを持つ型というか型枠のようなものを事前に作っておきます。そして、検査したい製品にその型枠を当て、ぴったりと収まるようであれば合格、収まらないとか隙間が大きいようであれば不合格といったように判定できます。ポイントは、個々の製品の正確な長さを知る必要は必ずしもないということで、規格どおりの長さかどうか、許容される誤差範囲内に収まっているかどうかだけが必要な情報ですから、物差しとかノギスのような測定機器が必須とされるわけではないことにあります。

部品の適切な位置に突起が出ているか、ねじ穴が空けられているかなども同様に方法で解決できます。

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