デジタルカメラやスマートフォンなど電子機器を開発するために不可欠な検査治具がICソケットです。ICソケットはICやLSIを抜き差しするための部品で、各種パッケージやピン配列に対応したものがあります。集積回路はIntegratedCircuitを省略してICと呼ばれており、大規模集積回路はLargeScaleIntegrationを省略してLSIと呼ばれています。これらの部品にはコンデンサや抵抗、トランジスタなど様々な素子が組み込まれており複雑な機能を実現します。
電子機器の開発業務では検査治具を使いICやLSIの交換と変更が何度も行われます。人びとの日常生活を支える様々な電子機器を製造するにはICやLSIが不可欠です。これらは半導体であるシリコンウェハー上に、フォトリソグラフィという技術を使い様々な素子が組み込まれています。フォトリソグラフィは感光性の物質を表面に塗布してパターン状に露光させ、個々の素子や配線を組み立てることなく大量生産を可能にします。
ICやLSIは様々な素子がパッケージングされており、大量生産できるため価格も安いのが特徴です。これらの部品を使わないと新たに論理回路や増幅回路を作る必要があり、コストと手間がかかってしまいます。検査治具を使えばICやLSIを基板にハンダ付けせず交換や変更を行うことができます。基板にハンダ付けすると簡単には交換・変更ができないため非効率的です。
ICソケットを使いこれらの部品を何度も交換・変更して試すことで、価格を抑えつつ高性能な製品が作られています。